台湾の象徴と言えるべき総統府。1919年に日本政府が当時の先進技術を駆使して建設した総督府は、現在も中華民国総統府として使用されている建物。通常でも平日午前に1階部分のみ見学可能ですが、毎月1回だけ全館見学可能になるとあり、行ってきました。

阜杭豆漿で朝ごはんを食べるために台北駅近くまで来ていた私たち。翌日は少し遠出をする予定だったこともあり、この日は1日台北で過ごすつもりでした。昼は暑いし建物の中でできる観光がいいね、と付近の情報を検索していたらなんとこの日は月1回の総統府公開日!早速タクシーでやってきました。

正面門前で降ろしてもらい、入り口を探します。セキュリティもあるだろうしさすがに正面玄関からは入れないか、と裏に回ると観光バスがドーンと停まっていて、それらしい雰囲気に。並び始めたらツアー客と一般客は入り口が違うよ、と言われて見ると個人の見学者が数名並んでいる入り口がありました。予約不要とのことでしたが、みんな何か印刷した紙を見せているので、予約必要だったのかしらと話していたら「パスポート見せてください」とセキュリティの方が日本語で声かけてくれました。他の人が見せていたのは、身分IDを印刷した紙のようでした。

中に入ったらカバンの中を見せて、金属探知機を通るだけ。流れ的には皇室の一般参賀と同じですが、それにしても人少ないです。一部は平日毎朝公開とは言え、1ヶ月に1回の特別見学日なのに人が殺到しないんですね。

土曜の総統府内には公用車がズラリ

中に入ると公用車がズラリ。圧巻です。土曜日なので出ている車が少ないようです。こういった風景がみられるのも、週末の一般公開日ならでは。いかにも、という場面を目の当たりにして、総統府に来たんだという実感が湧きます。

セキュリティの都合上、敷地内へは建物の裏手にある門から入りますが、建物へは正面入り口から入ります。正面へ回ったら、暑い中汗も垂らさずに微動だにせず任務に就かれている守衛が2名おられました。どの国でも見かけますが、寒いのもツラそうだけど、暑いのもツラそう。

さて、この正面玄関、通常は総統、副総統、お招きされた来賓の方のみが使用できる入り口なのですが、一般公開日とは言え見学者も自由に出入りできるなんて、本当に太っ腹です。

総統府の正面玄関

中に入ると、3階へ上がる階段がドーン。ここは公用で総統府に招かれる際、写真撮影をする場所とあって見学者もみなさんこぞって写真撮影をされていました。国民の方なら、来賓の方の写真とかを普段からみられているのかもしれませんね。

総統府の大階段

階段を登りきったところには、国父、孫文の像があり、台座には「天下は民の為に」と刻まれています。

総統府には国父、孫文の像が

右手の階段を登った3階廊下には、芸術品がさりげなく飾られています。他のエリアには絵などもあまり飾られていないシンプルな建物内で、ここだけは来賓の方が通られる廊下だからでしょうか。通り過ぎている人が多かったのですが、見学に訪れた際はぜひ目を留めてご覧になってみてください。

総統府2階廊下の美術品 総統府2階廊下の芸術品

3階の真ん中には大ホール。ここでは国賓を招いたパーティも開かれるそうです。小説や映画の中に出てきそうな晩餐会という言葉がピッタリな内装は古い建物が好きな方なら一見の価値あり。日本でも稀に見る博物館レベルの大正時代の洋館で、在りし日の晩餐会(今でも使われていると思いますが)を想像しながら雰囲気に浸るなんてロマン的です。まさに、大正浪漫。

総統府の大ホール

1階は通常から平日午前は公開しているエリアなので、5〜6部屋に渡り、それぞれ建物について、台湾の歴史について、歴代総統について学べるテーマごとの部屋が続きます。説明は中国語と英語のみですが、簡単な日本語パンフレットも用意されています。総統府は建物ももちろんですが、その中庭もとても素敵です。

レンガの建物に合う色合いの植物が植えられていてよく手入れされており、ベンチやテーブルセットも用意されています。日本でも古い洋館にはイングリッシュガーデン、といったイメージですが、ここは南国なので異国情緒がたっぷり味わえます。この日は午前から蒸し暑かったですが、秋〜春に訪れる際は、ベンチでのんびりと休憩しながら歴史と異国感を体験するのも良いですね。

総統府の中庭 総統府は中庭も見どころ

台湾総統府は1919年に当時の日本政府によって台湾総督府として建設されました。設計はコンペ式で日本銀行本店等を手がけた長野宇平治氏の案が採択されました。長野氏の師匠は同じく日本銀行や奈良ホテルの設計を手がけた辰野金吾氏ですから、日本人にとっては見慣れた懐かしいデザインなのも頷けます。大正時代の和洋建築の最新技術を駆使して建設された建物は、台湾の気候にちなんだ工夫もされており100年経って、国が変わっても台湾の象徴として大切に使われています。台湾の歴代総統の中にはもともと親日家が多かったのですが、ここ数代は親中派が続き政治的には日本との関係が変わってきています。そんな中でもこの建物についての説明を読んでいると、当時の建築手法や設計の工夫を今に伝えようとしている言葉の端々から、日本に対するわだかまりを超えた敬意を感じ、なんとなく胸が熱くなりました。今後台湾を訪れる予定のある方なら、スケジュールを調整して、ぜひとも訪れていただきたい場所です。

台湾総統府入り口 台湾総統府の説明資料

ちなみに今年は2019年、総統府建設100周年なんです。見学スペースの最後にはおみやげモノ屋さんがありますが、おそらく今年しか買えない100周年グッズが目白押しでした。限定グッズに弱い、という方にも台湾総統府はオススメです!

総統府の一般公開日は、ウェブサイトで確認いただけます。第1土曜日が多いようですが、その限りではありません。尚、公開日にはすぐ近くの迎賓館「台湾賓館」も一緒に公開されます。私たちが行った見学日は正午までだったので行けませんでしたが、ぜひ合わせての見学をスケジュールしてみてください。次回は私もリベンジ!
https://english.president.gov.tw/Page/124

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